第一生命は、全国の幼児・児童を対象に行ったアンケート「大人になったらなりたいもの」の調査結果を2016年1月7日に発表した。男の子の1位は6年連続で「サッカー選手」。一方、女の子の1位は19年連続で「食べ物屋さん」だった。
調査は今回で27回目となる。保育園・幼稚園児および小学校1~6年生の約8万2000人がアンケートに協力した。このうち都道府県別、男女別、学年別に抽出した1100人の内容を集計・分析した。
子どもたちの「刑事になりた~い」はテレビドラマの影響!?
男の子が最も支持した「サッカー選手」は、得票率が13.8%だった。東日本と西日本の両地域をみても人気1位は変わらない。子どもたちにとってサッカーは身近なスポーツで、憧れの存在であることがわかる。
2位の「野球選手」は得票率が8.5%。前年が9.4%だったということは――1年のあいだに1%近く人気を落としていることになる。
対照的なのが3位の「警察官・刑事」。前年の5.3%から1.6%も得票率が上昇している。1年を通じて、刑事ドラマはどこかのテレビ局で放映されている。そこで描かれる警察官は市民の安全を守るため日常的に心身を鍛え、頭の良さも光っている。凛(りん)とした姿に、子どもたちの純粋なハートは引き寄せられるのだろうか。
以下、4位が「電車・バス・車の運転士」で得票率4.8%、5位が「大工さん」で4.5%と続く。
女の子はいまも昔も現実的!?
女の子の結果を見ると、1位の「食べ物屋さん」は得票率15.8%で、他を大きく引き離している。その内訳を見ると、「ケーキ屋さん」と「パティシエ」が8割近くを占める。
2位の「保育園・幼稚園の先生」は得票率が8.2%。子どもたちにとっては最も身近な職業だが、前年比で2.9%も落ちている。3位の「看護師さん」は6.8%で、前年の4位から1つ順位を上げた。ちなみに昨年3位の「歌手・タレント・芸人」は6位にランクダウンしている。
4位は「お医者さん」で得票率5.0%、5位が「学校の先生(習い事の先生)」で4.8%だった。
今年の新成人が子どもの頃になりたかったものとは?
今回の調査結果は、11日に成人式を迎える若者が"子どもの頃になりたかったもの"についても振り返っている。
04年、新成人男性が9歳だったとき、最も支持されたのは「野球選手」だった。得票率は15.5%。一方、「サッカー選手」が10.7%となっている。子ども目線でいえば、この11年で2つの職業の立場は入れ替わったといっていい。「警察官・刑事」も一定の人気を集めていたものの、当時の得票率は2.1%にとどまり、順位は7位だった。
女の子の職業観はどう変化したのだろう。04年、新成人女性が9歳のときの結果を見ると、15年の結果と1~3位まで順位が一緒だった。時代にかかわらず女の子は身近な職業に憧れる傾向があるのか。
4位以下を比較すると、04年調査のときは「お花屋さん」が6位、「美容師さん」が7位だったが、最新の調査では11位以下に落ちている。入れ替わってトップ10入りを果たしたのは8位の「デザイナー」と9位の「お店屋さん」。美容師もデザイナーも"美"にかかわる職業だ。女の子の「やりたい職業」は、根本的には変わらないのかもしれない。