2015年の「赤ちゃんの名前」ランキングが年末にかけて、相次いで発表されている。最初に公表された「クックパッドベビー」の調査では、女の子の名前で「莉子」がトップになり、「子」の復活かと話題になった。
しかし、その後のベネッセ「たまひよ」名前ランキングや明治安田生命の名前ランキングでは、「葵」がトップに。「莉子」はベストテンの圏外にとどまった。調査によって異なるが、まだ「子」の復活とはいえないようだ。
「子」は高貴な名前とされてきた
「クックパッドベビー」の調査は11月12日に公表された。「莉子」とならんで「さくら」がトップ。3位に「葵」と「和奏」が並んだ。同社がこの調査を始めた2010年以降で、「子」で終わる名前がベストテンに入ったのは初めて。「莉子」は前年の15位から大躍進し、「子」の復活かと関心を集めた。
もともと「子」が付く名前は日本では高貴な名前とされてきた。雑誌アエラ(93年6月15日号)によると、平安時代、50人もの子がいた嵯峨天皇(786~842)が女の子の名前に「子」をつけることにこだわったのが始まりだ。嵯峨天皇は「三筆」と言われた能書家で漢字にも詳しかった。その影響で公家たちは娘に競って「子」をつけ、庶民は使えない貴族専用の名前となっていた。
「子」が一般に「開放」されたのは明治になってから。明治安田生命の名前ランキングによると、1934(昭和9)年生まれは全員が「子」。1970年も7つが「子」だ。しかし、80年代に入ってから人気がなくなり、最近では、外国人風の名前や、アニメキャラクターの名前を漢字に当てはめたものなど、自由奔放な名づけが主流となっていた。