「ショック」後の資生堂の次の一手に注目
「ショック」と称した報道機関は、公表されている同社の長期ビジョンを読み込んで吟味したとは思えない。経営者が語る理念は、抽象的でお題目のようにも映ろうが、長期的にはその企業の盛衰を左右する極めて重要なものだ。
企業の社会的責任を常に重視し、社会で最先端の人事制度を採ってきた資生堂ほどの会社であれば、日本社会の行く末を見据えた本質的な議論を重ねていることだろう。
資生堂の投資家向けIR資料はホームページ上にも掲載され、記者のみならずとも誰でも読める。そこには、人事制度の見直しの目的として「組織の活性化と若返り」が掲げられ、いくつかの項目が例示されている。
しなやかな若手が活躍する会社は、当然ながら、従来型のサラリーマン文化とは異なる内実を伴うはずだ。
同社が次に何を仕掛けるのか。改革に痛みを伴うのは世の常だ。表面的な報道に惑わされず、今後の展開を丁寧に注視していきたい。
酔漢(経済官庁・Ⅰ種)