理念を度外視してレッテル張りをするマスコミの愚

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名誉会長は「複線人生」

   著者は、本書序章で資生堂初代社長の「ものごとはすべてリッチでなければならない」という言葉を紹介し、リッチとは「本物や豊かさのこと」とする。このキーワードを軸に話題は多岐にわたるが、乱暴にまとめれば、全ての人が本物にふれ豊かな生活を送ることを提唱する。「全ての人」には、当然、資生堂の社員も含まれよう。

   さらに評者は、著者が自身の人生を「複線人生」と名付けたことに着目した。

   「複線人生」の内容として、著者は、本業の会社経営以外に様々な公職や趣味に多くの時間を掛けてきたことを嫌味なく語っている。

   そして「『仕事を日常、遊びを非日常』...という認識が一般的だが、二元論的に仕事と遊びを切り分けずに生きることで、より充実した人生を送り、より豊かなライフスタイルを築くことができる...結果として仕事も遊びもうまくいく...」と主張する。

【霞ヶ関官僚が読む本】現役の霞ヶ関官僚幹部らが交代で「本や資料をどう読むか」「読書を仕事にどう生かすのか」などを綴るひと味変わった書評コラムです。

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