「日本一の兵」と称賛された
戦国武将が現在の社長であればどんな生き方をするのだろうか。今の経営者も死ぬか生きるかの戦いを繰り広げている。ビジネス戦争と同じではないが、戦乱の世を生き抜いた武将たちから学ぶべきものは多い。かつて山岡荘八の『徳川家康』は経営者の虎の巻として長くベストセラーとなった。大坂の陣で家康を追い詰め、「日本一(ひのもといち)の兵(つわもの)」と称賛された真田幸村の場合はどうか。
『もしも真田幸村が中小企業の社長だったなら』(著・井上ミノル、1080円、創元社)は、幸村はじめ個性豊かな武将たちや女たちの戦いを現代の百貨店競争になぞらえて描く。豊臣秀吉と家康が東西二大百貨店を経営し、幸村は製靴メーカーという設定だ。笑って学べる歴史コミックである。
著者の井上ミノルさんはイラストレーター&ライター。2013年にコミックエッセイ『もしも紫式部が大企業のOLだったなら』を刊行している。