インスタで交流も
本場のイギリスやフランスではペンで色分けしていくそうだが、日本では色鉛筆で細かく塗り分けている人が多い。自分なりの配色をあれこれ考えるのが楽しく、塗り分けには集中力も要求される。仕上げるまでにはかなりの時間がかかるが、没頭できるのでストレス発散になる。完成すると、1枚の絵画作品のようになり達成感もある。
できあがった作品は、もちろん塗った人だけのオリジナル。最近ではインスタグラムで作品を公開し、愛好家同士で交流している人もいる。
「大人の塗り絵」は、今年に入ってからテレビや新聞でしばしば取り上げられ、とくに「フィギュアスケートの浅田真央選手が夢中になっている」と紹介されたことが、ブームに弾みをつけた。浅田選手は、10月4日のグランプリシリーズ「NHK杯」の記者会見で「大人の塗り絵にはまっていて」などと述べ、この発言が大きく報じられたものだ。
浅田選手の発言とその報道を受けて大手書店ではコーナーを設けたり、ブックフェアを開催したりするなど、PRにつとめている。紀伊國屋書店の新宿本店では1日で100冊近く売れた日もあるという。親しい人へのプレゼントとしても使えるので、クリスマスシーズンにはさらに盛り上がることになりそうだ。