SNSの利用は、消費者の選択に大きな影響力を持つ
消費者のサービス利用におけるSNSの活用も活発になっている。日本では「SNSを通じて顧客サービスの問題について企業から回答を得た、または解決した」と答えた人が67%だった。インドでは91%、香港では86%に上り、3市場で全体的にSNSの依存度が高いことがわかる。また日本では企業を選ぶ際の基準について「オンラインやSNSのレビュー」が24%と前年の19%から上昇し、最も高い「会社の評判(26%)」に次ぐ割合になった。
「酷い顧客サービスを何回まで我慢できるか」という質問については、インド、香港のどちらも約60%の人が「2~3回まで」と答えているのに対し、日本は「一度でも悪い対応を受けると、直ちにサービスの利用停止を検討する」と答えた人が48%と多かった。
SNS利用の拡大は、悪いサービスを受けた際の消費者の対応にも影響している。日本人は、クレームを直接伝えることなくサービス利用から離れる「サイレントクレーマー」が多いとされているが、最近では不満をSNSに書きこみ、それが拡散されるというケースが増えている。SNSの利用拡大は消費者と企業とのやりとりの幅を広げた一方で、企業にとっては、不適切なサービスがあった場合にそれがすぐに露呈し、信頼を失いかねない事態に見舞われる可能性を増大させている。