来シーズンからプロ野球セ・リーグの横浜DeNAベイスターズを率いるアレックス・ラミレス新監督が2015年11月26日、東京・渋谷のDeNA本社を訪れ、社員らからサプライズの歓迎セレモニーを受けた。
現役時代に様々なパフォーマンスでファンを沸かせてきたラミレス監督だが、今後は「パフォーマンスを封印する」という。
ラミレス、サプライズは「されるよりする方が得意」
新監督に前もって伝えられていたのは、社員が会議をする部屋にサプライズとして登場してもらう、というシナリオだ。新監督訪問を聞かされていない社員はビックリ、パフォーマンス好きの新監督の面目躍如――となるはずだった。しかし、実際は正反対で、歓迎セレモニーを開くために集まった社員が新監督を驚かすことになっていた。
何も知らない新監督。セレモニー前には「サプライズされる方とする方、どちらが得意か」という記者の質問に、笑顔で「する方が得意だと思います」と答えた。
一方、セレモニー会場では、ユニフォームを着たり、ヘルメットをかぶったりと思い思いの応援用ファッションに身を包んだ社員が待ち構えていた。球団オーナーで同社取締役の南場智子さんや守安功代表取締役社長も駆けつけ、その数は100人を超えた。南場さんも「もうちょっと人数いてもいいよねぇ。(社員を)緊急招集できないの?」と気合十分。新監督を驚かせる準備はバッチリ整っていた。
「会議中」の部屋にラミレス監督が入るや、一斉にクラッカーが音をあげ、球団歌「熱き星たちよ」が大音量で流れだす。
南場さんから花束の贈り物、守安社長から「来年はエキサイティングな球団にしたい」と激励を受け、新監督の口から思わず「アメイジング!ありがとうございます」と驚きの声が出た。
ドッキリ決められ、「今回は信じすぎた...」と苦笑い
セレモニー後の囲み取材では、記者から「ドッキリ」を疑わなかったのかどうか質問が出され、「スピーチの内容を考えていたので、自分がサプライズを受けるとはこれっぽっちも思わなかった。DeNAサイドは120%のドッキリ成功だったのでは」と率直な気持ちを述べた。
「ドッキリ」以外に言及するシーンもあった。今回、「ゲッツ!」など現役時代にファンを沸かせたパフォーマンスをせず、写真撮影時も終始笑顔とVサインで貫き通した。Vサインをし始めたのは、初めて南場さんと会ったときに「シーズン終わりにビクトリーサインでまた写真を撮りたい」と言われたのがきっかけだそうで、「そうであれば最初からこれでいこうと決めた」と話す。Vサインの代わりに「選手時代のパフォーマンスは封印する」と、覚悟を決めた上での「宣言」も飛び出した。
監督業への思いについても、「優勝に一番大切なのは信じること。信じることが出来ればすべてのパズルがそろう」と熱く語った。
ただ、あまりにも鮮やかにドッキリを決められてしまったためか、取材の最後に「今回は信じすぎた...」とこぼし、苦笑いを浮かべていた。