NHKプロデューサーの反骨宣言?
突撃は将兵の無駄死にと知るはずの氏が命令を優先せざるを得なかったのは、命令が絶対の軍の特殊性による。著者の筆は、氏をそう擁護する論調に見える。
裏を返せば、著者は、軍隊ではない、つまり命令が絶対ではない組織では、どう振る舞うべきと言いたいのだろうか。そう考えると書名にもう一つの意図が浮かび上がってくる。
つまり「反骨の...」との表題には、自身もまた組織の方針に逆らってでも正しいと信じることを貫く意思、より端的に言えば、軋轢が噂される今のNHKにあっても「報道の自由」を貫徹する決意が込められてはいないか。
現役プロデューサーの著作を、戯れにこう深読みしてみるのも一興だ。