紳士服を企画・販売するAOKIが展開するブランド「ORIHICA(オリヒカ)」は、俳優の松坂桃李さんをイメージキャラクターに起用し、2015年秋冬シーズンに、同ブランド初のテレビCMを、関東・関西・中京・宮城県で放送している。
CMで松坂さんは、今季のテーマカラー"NAVY&BLACK"のスーツをまとい、誰もいない大都会を1人歩く。街灯はついているのに、タクシーなどは放置されたまま。無人なのか、あるいは時が止まっているのか――。「もしも、 世界に 僕しか いなくなった としても、 僕は、 僕の、服を着る」とつぶやく。
松坂さんは男性ファッション誌「FINEBOYS」の専属モデルとして芸能活動を始め、同誌で3年以上連載ページを続けている。服に対する感度は人一倍高く、同年代の若者が手本とする存在だ。そんな彼が気に入っているアイテムの1つがORIHICAのスーツ。いったいどのへんに惹かれているのか――。東京・表参道にあるORIHICAプレスルームで話を聞いた。
「分かる人には分かる」上品さがある
――普段の松坂さんはラフな脱力系ファッションが好みだそうですが、舞台挨拶に登場するときはスーツでバシッと決めている印象を受けます。私服のときと比べて、感情や気持ちに変化はありますか。
「スイッチのオン・オフというか、着るとシャキッとして、背筋がピッとします。『ここから向かうぞ!』という感じがします」
――スーツを選ぶとき、どういった点を重視していますか。
「シルエット、色味、素材感、この3つですね。触ってみて『あっ、これはいいかも』と思って羽織ると、自分の体にフィットしているか、シルエットが自分の体に合っているか、割とすぐに分かります」
「色は黒やネイビー、グレーが僕個人としては好きですね。(CMのセリフと重なるが)『自分の着たいスーツを着る』を大事にしています」
――若いころはロックスタイルが好きだったそうですね。
「高校時代はそうでしたね。現在の年齢は27歳ですが、大人としての身だしなみのステップアップというか、スーツ自体にそんな力を感じるときはありますね」
――ロックの本場といえば英国ですが、ORIHICAのスーツは同国出身のデザイナーが手がけています。どの点に惹かれますか。
「主張しすぎないところが好きです。よく見ると『分かる人には分かる』上品さとオシャレがあります。例えば、ボタンはちょっと手が込んでいて、色が変わっていたりとか、よく見ると、『こういうところにちょっとしたこだわりがあるんだな』というのが随所に感じられます。(機能面に着目すると)動きやすくて、窮屈感が全然ないんですね。すごく細身でスッとしているんですけど、どのスーツに袖を通しても違和感がない。『ずっと着ていられる』。それがORIHICAのスーツの魅力です」
――例えば、このプレスルームに陳列されているスーツの中から1点選ぶとしたら、どれをチョイスしますか。
「うーん、どれがいいだろう。あっ、これグリーン――違うか。グリーンのように見える色。いい黒ですね。どれもいいですね。(今度は別の商品を手に取り)これは上品でいいですね。裏地も気になる......。茶色な感じが好きです。これ! これにします」
――こちらを選んだ理由を教えてください。
「上品な黒です。それから素材感も――。この生地はなんですか(と横にいたスタッフに尋ねると、『ウールです』と答えが)。そうか、ウール素材に惹かれたんだと思います」