「どれが一番うまい、ということではない」 個性を大事に
参加者が味の違いを如実に感じられたように、生産者はそれぞれが独自のこだわりを持っていた。また、消費者の反応を直接聞けるのは貴重な機会だったようだ。紅はるかを生産する鹿児島県鹿市の農産物加工会社、オキスの岡本孝志さんは、「ほっくりさせるより、ねっとりと水分量を多く残して焼いたものの方が人気が高かった。焼き方の参考になる」と述べていた。
「食べ比べ」ということについて、米の娘ぶたの生産者、大商金山牧場(山形県酒田市)の矢口一寿さんは、「『どれが一番うまい』ということではない。手法も環境も違うし、お互い認め合えればいい」と、個性を大事にしたい考えだ。参加者も「全部おいしい」という感想のうえで、それぞれの特徴を述べあっていた。矢口さんは、「生産のバックグラウンドまで知ってもらって、商品とともに生産者自身も消費者に愛されることが必要だと思う」と、作り手としての在り方を見据えていた。
フード・アクション・ニッポン推進本部事務局では、今後も国産農林水産物の消費拡大に向けた、様々なイベントや情報発信をしていくという。