「においを音で表現する」というユニークな手法を用いた2本のウェブ動画が登場した。「におい×音」、ぱっと聞いただけではなかなかイメージし難い組み合わせのようにも思えるが、どのような映像に仕上がっているのか。
挑戦したのはP&Gの柔軟剤「レノアハピネス」と、ロッテが発売している「息をデザインするガム」のコピーでおなじみの「ACUO(アクオ)」だ。どちらも使えば「良い香りになる」という点で共通しているが、ウェブ動画はそれぞれ対照的なアプローチを使って商品の特徴を音で表している。
レノアハピネスは洗練された香りを香階で表現
レノアハピネスの「LENOR HAPPINESS Perfumery Organ(レノアハピネスパフューマリーオルガン)」は、香料に一つずつ音をあてはめた "香階"を用いたウェブ動画になっている。香階とは19世紀のイギリス人調香師、ピエスが考案した香りと音をリンクさせる表現方法だ。
ムービーでは「複雑に香料がブレンドされたレノアハピネスの洗練された香り」を音で表現するために、香階演奏専用の特製オルガンを製作。シンガーソングライターの原田郁子さん(40)が作曲と演奏を手掛けた。使用する音はレノアハピネスに使われている香りに該当する香階のみ、という縛りがある中で作られた曲だ。優しい音色と、鍵盤の動きと連動してオルガン内の香料瓶から霧状のアロマを噴出する不思議な仕掛けが印象的な作品になっている。
レノアハピネスが洗練された香りをメインで描いているのに対し、ACUOは「臭くておいしい料理を食べた後でもACUOを噛むと息が爽やかになる」をテーマに、「クサいにおい」というマイナスの要素とACUOの爽やかな香りの対比を印象付けるウェブ動画を作った。
映像のタイトルは「息興曲(そっきょうきょく)」。作曲家の新垣隆さん(45)がクサい料理を食べた人の息と、さらにACUOを噛んだ人の息を嗅ぎ比べながら、イメージの違いをピアノで即興演奏するというシュールな演出になっている。