バラが「あなたを愛している」、カーネーションが「熱愛」など、植物に意味を持たせる「花言葉」は有名だ。ここぞという場面で花を贈る際、花言葉にちなんだ花束を渡すという行為は、ロマンチックな告白の仕方として憧れる人も少なくないだろう。
大人の恋愛の駆け引きといえば、酒席で行われることもしばしばだ。そうした時に知っているとオシャレな、「花言葉」ならぬ「酒言葉」をご存知だろうか。
男性に勧められたポートワインを飲むと...
酒言葉がにわかに注目されるきっかけとなったのは、BSフジのドラマ「BARレモン・ハート」(2015年10月19日放送)だ。
「BARレモン・ハート」の常連客でフリーライターの松ちゃん(松尾諭さん)が、取材相手の女性(実川貴美子さん)と一緒に店を訪れた。
松ちゃんと楽しそうに会話していた女性は、松ちゃんがマスター(中村梅雀さん)から聞いた酒のうんちくをメモにまとめていると聞き、スプリッツァー(白ワインのカクテル)を一気に飲み干した後「あの、私、シェリーをいただいてもいいかしら」と切り出した。
「どうぞどうぞ」と勧める松ちゃん、女性は意を決した様子で「マスター、ティオ・ペペ(シェリーの一種)をいただけるかしら」と注文する。
そして女性が「ところで松田さん、この後のご予定は?」と聞くと、松ちゃんは「家に帰って取材メモまとめて、テレビでプロ野球ニュース見て、後は寝るだけですよ。ハハハ!」と返答。これを聞いた女性は突然不機嫌になり、「私、失礼します」と立ち上がる。
困惑して追いすがる松ちゃんに、女性は「とぼけるつもり!?」と激昂、平手打ちを食らわす。「もう二度と会うことはありません。さようなら」と言い残し、店を後にしてしまった。
女性がなぜ急に怒ったのか、全く心得ない様子の松ちゃんに、その場にいた常連客のメガネさん(川原和久さん)とマスターが解説を始める。
シェリーは、女性がそれを飲みたいと言った時、酒言葉で「今夜一緒に寝ても良い」という意味になるのだ。マスターによると、シェリーはアルコール度数の強い酒で、酔って一晩中介抱されたい、という思いがこの意味に転じたそうだ。
うなだれる松ちゃんだが、ポートワインは男性が愛を告白するお酒で、これを女性に勧めて断らなかったら「あなたに全てを」という意味だと教えられ意気揚々。
後日、早速気になる女性とのデートでポートワインを勧めたら1本丸々空けてしまったため、満を持してホテルに誘ったらまたしても平手打ち。酒言葉など知らず、「美味しかったから飲んだだけ!」と怒られてしまった、というオチだった。