リヒャルト・シュトラウスのリスペクトと「英雄」

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「英雄」が誰かを名言せず

   リヒャルト・シュトラウスの交響詩「英雄の生涯」は、彼にとっての最後の交響詩であり、それまでの集大成と言ってよい作品でした。そのため、管楽器を4人ずつそろえた100人からなる大規模オーケストラの作品となり、また、作品中に前出の「ツァラトストラ~」をはじめ、自分が今まで書いた交響詩の作品のモチーフをちりばめたりしています。

   英雄、というのが誰のことかは楽譜には書かれていません。ただ、彼自身が、周囲の人に、この作品を解説して、「英雄」「英雄の敵」「英雄の伴侶」「英雄の戦場」「英雄の業績」...などと、一人の英雄が人生を送る様子に当てはめています。周囲は、結局その英雄とはリヒャルト・シュトラウス自身ではないか―批評家の厳しい目にたびたびさらされて、音楽家として戦っているのは良く知られていたところでした―と推測しましたが、結局彼は、それが誰かを明言しませんでした。

本田聖嗣プロフィール

私立麻布中学・高校卒業後、東京藝術大学器楽科ピアノ専攻を卒業。在学中にパリ国立高等音楽院ピアノ科に合格、ピアノ科・室内楽科の両方でピルミ エ・ プリを受賞して卒業し、フランス高等音楽家資格を取得。仏・伊などの数々の国際ピアノコンクールにおいて幾多の賞を受賞し、フランス及び東京を中心にソ ロ・室内楽の両面で活動を開始する。オクタヴィアレコードより発売した2枚目CDは「レコード芸術」誌にて準特選盤を獲得。演奏活動以外でも、ドラ マ・映画などの音楽の作曲・演奏を担当したり、NHK-FM「リサイタル・ノヴァ」や、インターネットクラシックラジオ「OTTAVA」のプレゼンターを 務めるほか、テレビにも多数出演している。日本演奏連盟会員。

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