制度的にも疑問ある運営が少子化を加速
憲法は義務教育とともに勤労の義務を定めているが、これらの小学校は、保護者の「勤労」に配慮するつもりはなさそうだ。授業などで用いる教材作成を親に指示することも多いようだが、無償であるはずの義務教育にそんな「代償」が伴うことに誰も疑問を呈しないのはなぜだろう。教師が多忙だと喧伝もされるが、教師以外の勤労者は多忙でないとでも言うのだろうか。文部科学省が掲げる「学校・家庭・地域の連携」という美名は、どこか履き違えられている。
共稼ぎ世帯が多数派になって久しいにも関わらず、学校は専業主婦が多数派の時代の運営を漫然と続けているに相違あるまい。長時間労働で疲弊している上に学校用務が重なり、家事労働も圧しかかる。多忙のゆえに第二子、第三子を諦める母親を、万が一にも責めてはなるまい。