米国人ママの"パリ子育て奮戦記"から考える日本で少子化が進む理由

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母親の時間を奪う小学校

   労働時間に加えて日本の親の自由を失わせるものがある。小学校だ。

   シングルマザーの知人は、公立小の運営について「PTAは実質義務、学校主催の保護者会は平日...」と嘆く。仕事に疲れて夜半に帰宅したら「明日の授業で○○が要る」と息子に聞かされ、深夜に開いている店を何軒も探したともいう。とある私立小では運動会はPTA主催。保護者は、学校に校庭や用具を「お貸しください」と申請し、運営も全て行うという。ワーキングマザーは私立小の「お受験」では非常に不利と聞くが、だとすれば私立小在籍児童の母親の就労割合は世間一般よりも低いことだろう。よく差別として問題視されないものだ。国立小も例外ではない。応募の段階からして、願書受付、試験日程配布など、郵送で済むようなことまで保護者に何度も学校に足を運ばせる。しかも全て平日の昼間で、昼休み時間は受け付けないという。入学後の負担は推して知るべしだ。

【霞ヶ関官僚が読む本】現役の霞ヶ関官僚幹部らが交代で「本や資料をどう読むか」「読書を仕事にどう生かすのか」などを綴るひと味変わった書評コラムです。

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