国会の「『決める仕組み』の欠如」指摘し「13年夏 政治書」ベスト1
日本の政治が、ヨーロッパの先進国などに比べ、「ガラパゴス化」していると主張し改革案を提示したのが、小選挙区制導入など日本の政治改革の理論的支柱の1人として活躍した著名な政治学者の野中尚人学習院大学教授である。野中氏の「さらばガラパゴス政治~決められる日本に作り直す」(2013年4月 日本経済新聞社)は「週刊東洋経済」「2013年夏 経済書・政治書 ベスト30」の政治書のベスト1に選ばれた、当時話題の1冊である。
この著書の第3章では、「ガラパゴス化する国会 日本の常識・世界の非常識①」として、政府提出法案を政府・多数党主導で可決・成立させる基本的な仕組みがない主要国は日本だけであるという。また、「『決める仕組み』の欠如」として、日本の国会では、決定も実行もさせないことを繰り返し、その表れとして、日程闘争による結論引き伸ばし、特に議会政治を否定する「審議拒否」をあげる。また、逐条審議や修正活動なしで、「いじめ」風の質疑に終始する絶望的に非効率・非機能議会であるという。