あるシートマスクが評判だ。こうした製品のカギとなる美容液は「液体」ではなく、とろりとした「美容ジュレ」。33グラム含有と、ユーザーの女性らはその贅沢さにまず驚くという。まるで「デザート」のようなパッケージで、売り場でも目立つ存在だ。
製品名は「プレミアムプレサ ゴールデンジュレマスク」。2014年9月の発売以来、累計出荷数は180万個以上。徐々に人気が高まり、訪日中国人観光客に「バカ売れ」しているという。15年9月には、新商品「ビューティーマスク」も登場。人気商品の第2弾に、期待が高まっている。
「日本で買うべき商品」と話題
この商品を手掛けたのは、化粧品メーカーのウテナ(東京都世田谷区)。それまで価格競争が続いていたシートマスク市場に、「プレミアム感」がある新商品を投入したのが効果的だったようだ。同社マーケティング部の片山勇樹氏は「新しい付加価値を提供したかった。コモディティ(日用品)化してしまった市場の中に、『使う時にゆっくり楽しみたい』という女性本来の楽しみに立ち返ろうとした」と振り返る。
発売直後からクチコミで売れていたが、14年末に火が付いた。きっかけは、訪日中国人観光客向けガイドブックへの広告出稿。ガイドブックを見た訪日観光客が「ゴールデンジュレマスク」を購入し、中国で「良かった」と使用感を広めた。「日本で買うべき商品」として、中国のインターネット上で話題になったこともあり、いまなお「24時間フル生産しても、まだ追いつかない」状況だ。