"革命的"ともいわれ、東京・永青文庫で開かれる「春画展」(9月19日~)などに合わせ「女子のための入門!春画」の特集を組んだ「美術手帖」(美術出版社)10月号が2015年9月17日に発売された。
13年には大英博物館で初めて春画だけの展覧会が開催され人気を博したが、とくに女性が数多く集まったことでも話題となった。春画の展覧会は日本では、ほとんどの美術館が会場の提供に消極的で、春画への偏見や性表現に関するタブー視をめぐり議論が長く続けられている。
「美術手帖」の特集では、偏見を取り払うために本来春画が日常生活でいかに楽しまれていたかといった基礎知識を師岡とおる氏のイラストとともに紹介する企画を盛りこんでいる。
また現代のポルノやアダルトビデオ(AV)などとは違い、春画は「笑い」の要素が満載だという点に注目した、辛酸なめ子氏、峰なゆか氏、ろくでなし子氏が参加する「オトナ女子の春画講座」も。「エロとダジャレ的な笑いを結びつける感覚」や「性的興奮のためというより、自然に笑えてしまう」といった春画のユーモラスな点を3 人が自由な発想で次々と指摘する。
他に、画家の会田誠氏、山本タカト氏、木村了子氏による鼎談や、春画展必見の名品セレクション、「原寸大豆判」なども収録している。
価格は1600円(税別)。