本書のあらすじ
藤原正彦氏が「解説」で概略を示している。さらに圧縮して紹介しよう。
「穀田屋十三郎」は、「伊達藩の貧しい宿場町の商人」が「一家離散をも覚悟で...千両を集め...財政難の伊達藩に貸し...利息をそのまま貧しい町民に配る、という奇手で町を救った」物語である。
「中根東里」は、「日本一の儒者、日本一の詩人とも言われた」が「一生を極貧に甘んじ」「村人に万巻の書から掴んだ人間の道を平易に語り続けた」人の物語である。
「太田垣蓮月」は、「歌人として名をなすと同時に、自作の焼き物に自詠の和歌を釘彫りする蓮月流を創始した」が「名誉を求めなかった」上に「私財を投げ打って貧者を助け...橋をかけるなど慈善事業に勤しんだ」尼の物語である。