フィリップ モリス ジャパン(PMJ)は2015年9月1日、加熱式たばこ「iQOS(アイコス)」の全国販売をスタートする。8月18日に東京都内で行われた記者発表会では、同社のローラン・ボアサール社長が、iQOSの革新性と販売戦略について説明した。
PMJの親会社であるフィリップ モリス インターナショナル(PMI)は、いままでの喫煙よりリスクの低い選択肢を提供する「たばこハーム・リダクション」のコンセプトに基づき、20億米ドル以上の投資を行い、製品の開発研究を行ってきた。iQOSはその第一弾といえる商品だ。
試験販売では「しっかりした吸い応え」の声も
「たばこハーム・リダクション」とは、2000万人以上の日本の成人喫煙者を含め、何億もの成人が世界で喫煙を続けている現状を踏まえ、喫煙をやめない成人喫煙者に対し、より安全な製品を提供すること。「iQOS」は、紙巻きたばこと遜色ない味わいや感覚を持ち「リスクを低減する可能性のある製品(RRP)」を社会に受け入れてもらい、使用してもらうことを目指している。そのため「iQOS」は、非喫煙者や元喫煙者を対象にした商品ではない。
その考えから開発された「加熱式たばこ」は、火を使わずに、熱で味わいを引き出す。タバコ葉を使ったカートリッジ「ヒートスティック」をホルダー内部の「加熱ブレード」で温めて使用。通常の紙巻きたばこを燃やすと、800度以上の熱が発生するが、iQOSでは350度以下に抑えられるため、有害な物質が発生しにくくなるという。
液体を加熱して蒸気を出す「電子タバコ」とは、まったく異なるiQOS。名古屋市内で14年11月から行われた試験販売では、「たばこの葉っぱそのものの味がしました」「しっかりした吸い応えで、他の商品とは違う、満足感があります」などの感想が出た。火を使わないため、煙が出ず、灰皿も不要な点も評価されているようだ。