「杜仲茶」などに使われる植物、杜仲(とちゅう)を研究する「日本杜仲研究会」が2015年に発足10周年を迎える。それを記念して、同会と小林製薬が7月24日、東京国際フォーラム(東京都千代田区)でメディアセミナーを開催した。
セミナーには、共立女子大学の上原誉志夫教授(家政学部栄養植物学科)と、鈴鹿医療科学大学の藤川隆彦教授(薬学部 薬理・動態分野)が登壇。杜仲茶を取り入れた「血管しなやかダイエット」を提案した。
一酸化窒素の増加がカギ
講演で上原教授は、血管中心部にある「血管内皮細胞」の重要性を指摘。ここが「しなやかさ」を失うと、肥満や老化だけでなく、動脈硬化から脳血管疾患や心疾患にもつながると説明した。しなやかな血管を保つためには、一酸化窒素(NO)の増加が重要だが、その分泌を促す役割を杜仲葉が持っているという。
上原教授の説明を受け、藤川教授は「しなやかな血管」とダイエットの関係を話した。日本人の肥満体形は「リンゴ型」「洋ナシ型」「バナナ型」「キウイ型」などに分類され、これまで4つの「世代」にわたり、ダイエットのアプローチがなされてきたという。
それは、運動と摂取カロリー調節を行う「第一世代」、減食や代替食品による「第二世代」、食事由来脂肪をサプリメント(排泄促進型・燃焼型)で排出する「第三世代」、そして肝臓・筋肉・褐色脂肪細胞にアプローチする「第四世代」(いわゆる胆汁酸ダイエット)。
第四世代は、杜仲葉にふくまれる成分「アスペルロシド」が大役を担う。同成分が腸内への胆汁酸分泌を増加させ、肝臓・筋肉・褐色脂肪の代謝と燃焼を高めるのだ。このことに加えて、杜仲葉は血管のしなやかさを保つための「一酸化窒素」の分泌を高める働きをするので、「第五世代」のダイエットのアプローチとして「血管しなやかダイエット」が推奨されるというのだ。
同じく杜仲葉にふくまれる「ゲニポシド酸」が、一酸化窒素の放出を促すことで、血管機能と代謝を高める。小林製薬の平田哲也氏(薬粧品事業部研究開発部)によると、杜仲茶2袋(杜仲茶葉6グラム)を1.5リットルの水で煮出して飲むと、ウォーキング1時間と同じカロリーが消費されるといい、日常的な杜仲茶の摂取をすすめた。