達人たちが紹介する味の決定版
永井荷風が通い詰めた店、池波正太郎が愛した味もある。『江戸東京 味の散歩道―歩き味わう歴史ガイド』(著・嵐山光三郎、元木昌彦、山本一力、桑原茂夫、坂崎重盛、1728円、山川出版社)は、作家・嵐山光三郎をはじめ街歩きの達人と知られる面々が江戸東京の味と歴史をたどるエッセイ&ガイドである。
江戸東京の旨い物といえば、寿司、うなぎ、そば、天ぷらの4つが代表だ。「寿司は幕末に生まれ大流行になった」「江戸前とは蒲焼きに始まる」など、それぞれ由来を語りながら老舗の味を見て歩く。日本橋、神田、上野、浅草、谷中、本所、深川、向島...江戸の残る地名ばかりだ。若い人たちも集まるスカイツリーのお膝元も忘れない。写真付き「江戸の食」老舗一覧もある。