小津・黒沢~アニメ、コミケ 日本に高い関心
田島さんによるとイタリア人は概して「日本と日本人に対して高い関心と尊敬の念を抱いている」という。とくに高齢者の間では「戦後の復興の苦労を味わった同胞という意識があり、急速な経済発展を果たしたことにあこがれの気持ちがある」とも。また、中高年世代が小津安二郎、黒沢明から北野武監督までの名作映画に大きな影響を受けている一方、テレビでは日本のアニメが数多く放送されているほか、ゲームなど日本発のサブカルチャーもおなじみという。
コスプレイベントやコミックマーケット(コミケ)も大規模に行われており、北部トスカーナ州の中世の都市、ルッカで毎年開かれている「ルッカ・コミックス&ゲームズ」は欧州で最大規模を誇るコミケとして愛好家らに知られている。
イタリアと日本は気候風土がとてもよく似ており、火山や温泉、地震があることも共通する。人々が義理人情にあついところも相通じると田島さん。だが「国民性はまさに正反対」。新著につづられたその具体例が、われわれが幸せにいきるためのヒントになるという。