ミューザ川崎シンフォニーホール(神奈川県川崎市)の夏の恒例イベント「フェスタサマーミューザKAWASAKI 2015」が2015年7月25日からスタートする。
今年は8月9日まで、クラシックからジャズ、バレエなど、多くの人にむけたコンサートがめじろ押し。11回目となるイベントの魅力について、ミューザ川崎シンフォニーホール広報営業課の前田明子さんに話を聞いた。
天文学者がオーケストラに出演?!
首都圏で活躍する10のオーケストラが、日替わりでやってくるイベント。ミューザ川崎はJR川崎駅西口前にあるコンサートホールで「最上級の芸術活動をしているが、誰でも気軽に足を運べる」のが特徴だという。
「限られた愛好者だけのものじゃなくて、だれでも来て楽しめるものだと伝えたい」との思いから、公演によってはリハーサル風景を開放しており、安価な料金で、バラエティに富んだプログラムを楽しめる。
前田さんに、おすすめの公演を聞いてみた。まずは7月26日の「サマーミューザ・スペシャル・ブラス」(3000円)。管楽器の有名奏者が登場し、毎年行われる「全日本吹奏楽コンクール」の課題曲を演奏するという。
「中高生時代に吹奏楽をがんばっていたけれど、就職して子どももできて、楽器を止めてしまった30~40代に、もう一回青春を取り戻してほしいとの思いで選曲しました」
一風変わった試みが行われるのは、8月2日の新日本フィルハーモニー交響楽団の公演(S席4000円、A席3000円、B席2000円)。天体をテーマに、ホルストの組曲「惑星」などを演奏するが、その間に惑星科学者の松井孝典氏(東京大学名誉教授)による解説が入る。
「あまり気取らなくて大丈夫」
演目はクラシックだけではない。7月27日の「サマーナイト・ジャズ」(2500円)は、ジャズピアニストの佐山雅弘さんと、パイプオルガン奏者のルドルフ・ルッツさんによるアドリブ演奏対決が魅力だ。開演前には佐山さんによる「ジャズバーSayama」もオープン。このようにイベント全体に、音楽に酔いしれる演出がちりばめられている。
広報活動においても、敷居を下げる試みをしている。たとえば、ポスターやチラシに使われたビジュアルには、現役のオーケストラ楽団員を起用。それぞれが担当する楽器を、望遠鏡や帽子、果てはとび箱に見立てて、おどけてポーズをとった姿が並ぶ。
また14年からは、写真とレビュー入りの小冊子「ほぼ日刊サマーミューザ」を発行。翌日の公演に間に合うよう、スタッフ総出で編集作業を行うという。公演の様子はもちろん、チケット半券で優待を受けられるミューザ周辺の飲食店の紹介もしている。
コンサートデビューする人への「楽しみ方」を前田さんに聞いてみた。
「あまり気取らなくて大丈夫。夏の音楽祭なので、Tシャツでも良いです。『どこで拍手するんだろう』とか気にしないで、ただ楽しんでもらいたい。音を立てないとか、最低限なルールさえ守れば、ノリノリで楽しんでほしいですね」