「あまり気取らなくて大丈夫」
演目はクラシックだけではない。7月27日の「サマーナイト・ジャズ」(2500円)は、ジャズピアニストの佐山雅弘さんと、パイプオルガン奏者のルドルフ・ルッツさんによるアドリブ演奏対決が魅力だ。開演前には佐山さんによる「ジャズバーSayama」もオープン。このようにイベント全体に、音楽に酔いしれる演出がちりばめられている。
広報活動においても、敷居を下げる試みをしている。たとえば、ポスターやチラシに使われたビジュアルには、現役のオーケストラ楽団員を起用。それぞれが担当する楽器を、望遠鏡や帽子、果てはとび箱に見立てて、おどけてポーズをとった姿が並ぶ。
また14年からは、写真とレビュー入りの小冊子「ほぼ日刊サマーミューザ」を発行。翌日の公演に間に合うよう、スタッフ総出で編集作業を行うという。公演の様子はもちろん、チケット半券で優待を受けられるミューザ周辺の飲食店の紹介もしている。
コンサートデビューする人への「楽しみ方」を前田さんに聞いてみた。
「あまり気取らなくて大丈夫。夏の音楽祭なので、Tシャツでも良いです。『どこで拍手するんだろう』とか気にしないで、ただ楽しんでもらいたい。音を立てないとか、最低限なルールさえ守れば、ノリノリで楽しんでほしいですね」