中間貯蔵施設で処理進む震災ゴミ 燃やして体積減らす「減容化」がカギ

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焼却炉の方式によって「主灰」と「飛灰」の割合が大きく違う

   焼却炉には、大きく「ストーカー式」と「流動床炉式」の2つのタイプがある。「ストーカー式」ではストーカー(火格子)の上でゴミを移動させながら燃やす。これに対して「流動床炉式」では、炉の下から熱風を送って中の砂を加熱し、その砂にゴミを投入して燃やす。

   廃棄物が燃えた後の灰は、炉の下に落ちる「主灰」(しゅばい)と、燃焼ガス中に飛散する「飛灰」(ひばい)の2種類に分かれる。主灰は、いわば「燃え残り」。廃棄物として改めて処分される。飛灰は、主に集じん装置で回収される。

   主灰と飛灰の割合がストーカー式と流動床炉式では大きく異なっており、それぞれ8:2、2:8程度だとされている。ストーカー式は、燃焼の過程で前出の「主灰」と「飛灰(ばいじん)」の両方を排出。流動床式は残灰も吹き上がり、ほぼ全てを飛灰として回収するため、飛灰中の放射性セシウム濃度は、ストーカー式に比べて流動床式の方が小さくなるとされる。焼却処分の対象になる廃棄物には放射性セシウムが含まれているが、焼却後の灰に、どの程度の量の放射性セシウムが残るかの違いもある。この点も重要なポイントだと言える。

   大迫氏は、

「除染廃棄物だと(一般的な廃棄物を燃やした場合とは)歩合が違い、カルシウムが少なかったり、組成によっては半々ぐらい、飛灰よりは主灰の方に、トータルとしては移行率が高かったというデータも、少しずつ出てきている」

と話す。こういったことを考えると、主灰の割合が高いストーカー式の方が、燃やした後に残るセシウムの濃度は高くなりがちだとも言えそうだ。

   一般的に、ストーカー式は流動床炉式よりも一度に処理できる廃棄物の量が多いとされ、瓦礫ゴミ等の大型のごみ処理などに使用されている。現在処理が急がれている「稲わら」「牧草」などの農林業系廃棄物処理については流動床炉が得意とされているが、それぞれの特徴を踏まえた焼却炉の検討整備が求められそうだ。

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