消費者庁の取り組みが投げかける課題
消費者庁の取り組みにより、繰り返されてきた悲劇を食い止めることができるならば、行政官としてこれほどやりがいのある仕事は少ないと評者は思う。報道サイドも、こうして体系化された注意喚起であれば大々的に報道できるとは思うが、仮に政府発表=ベタ記事となるなら残念なことである。消費者への注意喚起である以上、より多くの報道がなされるよう工夫することは行政側に残る課題の一つだろう。
もう一点。消費者庁のこうした取り組みは、全く別の課題を提示していると評者は感じる。IT技術の進展が、行政の集中処理に優位をもたらしたモデルケースと言えるからだ。地方分権は当然の正義とされているが、分権の優位性は、情報が現場にあり住民への周知も自治体経由が効率的という前提に基づく。そうした前提をIT革命がどう変容させているか。検証し直す時期かも知れない。
酔漢(経済官庁・Ⅰ種)