発掘現場の臨場感を再現
兵馬俑は20世紀後半の世界最大級の考古学的発見とも言われ、貴重な文物ということで中国国外への貸し出しについては制約が多い。今回の特別展では関係者の尽力で「騎馬」「将軍」「歩兵」「軍吏」など10体の実物と約70体の精巧な複製が展示されることになった。
同館では1976年、日本で初めて兵馬俑から3体を借用してきて展示したほか、折々の中国関係展で1、2点が展示されることがあったが、今回のような大量展示は初めて。
特別展は「秦王朝の軌跡」「始皇帝の実像」「始皇帝が夢見た『永遠の世界』」の三部構成で、辺境の小国だった秦を強大な帝国に成長させた始皇帝に迫り、40年にわたって発掘調査が続く兵馬俑の長年の研究成果を見せる。発掘現場のスケール感や臨場感を最新の技術と様々な工夫で再現し、始皇帝の夢見た世界と地下帝国の迫力を体感できる展示となる。主催にはNHK、朝日新聞も名を連ねており、NHKでは地上波で特別番組を放映、朝日も特集紙面で紹介する。
同展は16年3月15日~6月12日に九州国立博物館、同7月5日~10月2日に大阪・国立国際美術館に巡回、今秋から来秋にかけてもっとも話題を集める展覧会となりそうだ。