東京オリンピック・パラリンピックが開かれる2020年を目指して、首都圏を中心にあちらこちらで建物などの建て替えやお色直しが進んでいる。住宅オーナーらにも五輪を目標にしたリフォームの意欲が高まっているようで、同年には2010年比約35%増の市場拡大が予想されている。
調査会社の矢野経済研究所がまとめた「住宅リフォーム市場に関する調査結果2014」によると、東京オリンピックの20年のリフォーム市場は8兆円規模にまで達しているという。"五輪景気"の影響もあろうが、快適さをより容易に求められるようになったことも大きく貢献しているとみられる。
ビッグデータが案内人
その大きな柱の一つが、デジタル時代に入って一層進化が目覚ましいICT(情報通信技術)だ。住宅のリフォームといえば、工務店や建築会社が専門に請け負うフィールドだと思われがちだが、ガス会社や電力会社などインフラ系の業者も参入している。これらの企業の中には、ビッグデータを活用した顧客マーケティングにより、いつどんな家庭に、どんなリフォームが必要になるのかを、予測できる企業もある。
たとえば、ICT大手企業の富士通では、ガス会社の持つ家庭のガスの消費量や消費パターンと、その他の暮らしに関する様々な情報をビッグデータとして統合・分析し、マーケティングに役立てることができるという。暮らしを支えるICTが進歩するにつれて、私たちの暮らしも、よりよくリフォームされていきそうだ。