妄想が生んだ異色の交響曲

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   ドイツでウェーバーが「初のドイツ的オペラ」を完成させた頃、隣国フランスでは、一人の情熱あふれる作曲家が、斬新な曲の構想を練っていました。彼の名前はエクトル・ベルリオーズ、今日の1曲は彼の代表曲、「幻想交響曲」になります。

  • ベルリオーズの意志が強そうな肖像写真
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  • 幻想交響曲の総譜の扉ページ
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ベルリオーズ「幻想交響曲」

   ウェーバーやベルリオーズは「ロマン派」の時代の作曲家に分類されますが、彼らはその前の「古典派」の時代を強烈に意識していました。だからこそ、ウェーバーは古典派の時代を通じて圧倒的に優位だったイタリアオペラの牙城を崩そうと考えたわけです。一方、ベルリオーズをはじめ、ロマン派初期の作曲家は、古典派の時代に完成された形式、「ソナタ形式」に対して挑戦を考えます。ソナタ形式とは、提示部~展開部~再現部という組み立てで書かれているクラシック曲のスタイルの1つで、ピアノ・ソロの曲でこの形式を使うと「ピアノ・ソナタ」となり、オーケストラのための曲でソナタを書くと、「交響曲」となります。古典派後期の巨匠、ベートーヴェンが、9つの素晴らしい交響曲を書いてしまったため、以後の作曲家たちは、それを超えることを目指し、四苦八苦することになります。それぐらい、ベートーヴェンの交響曲は斬新かつ完成度が高いものだったのです。当時の空気を再現すると、「ベートーヴェンの作品以上の交響曲はもう現れないだろう」といったところでしょうか。

本田聖嗣プロフィール
私立麻布中学・高校卒業後、東京藝術大学器楽科ピアノ専攻を卒業。在学中にパリ国立高等音楽院ピアノ科に合格、ピアノ科・室内楽科の両方でフプルミエ・プリを受賞して卒業し、フランス高等音楽家資格を取得。仏・伊などの数々の国際ピアノコンクールにおいて幾多の賞を受賞し、フランス及び東京を中心にソロ・室内楽の両面で活動を開始する。オクタヴィアレコードより発売した2枚目のCDは「レコード芸術」誌にて準特選盤を獲得。演奏活動以外でも、ドラマ・映画などの音楽の作曲・演奏を担当したり、NHK-FM「リサイタル・ノヴァ」や、インターネットクラシックラジオ「OTTAVA」のプレゼンターを務めるほか、テレビにも多数出演している。日本演奏連盟会員。

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