ドイツオペラを確立させた「魔弾」

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欧州諸国でたかまる「わが国のオペラ」を求める動き

   しかし、現代の日本で、字幕付きハリウッド映画に対し、日本語吹き替え版がじわじわと人気を高めているように、ヨーロッパのイタリア以外の国でも、「わが国のオペラ」を求める動きは、確実に高まってきました。旧体制、つまり、王侯貴族がパトロンとなる時代から、革命騒ぎを経て市民が力を持ち始めるようになると、そういった動きがより顕著になってきます。

   天才モーツアルトでもなしえなかった、「ドイツ人によるドイツ語の、ドイツを舞台にしたドイツ風オペラ」を作ったのは、彼の遠い親戚でした。(ちなみに、モーツアルトのドイツ語オペラの代表作「魔笛」も舞台はエジプト...ハリウッド映画が「宇宙」をしばしば舞台にするのと同じく架空の舞台で、ドイツ語オペラではありますが、イタリアオペラ的な影響が感じられ、ある意味突飛な舞台設定です。)モーツアルトの妻コンスタンツェは旧姓をウェーバーといい、その23歳年下のいとこが、カルル・マリア・フォン・ウェーバーなのです。音楽家の一族だったのですね。モーツアルトは現在ほど世界的に有名ではありませんでしたが、ウィーンで活躍した彼のことは、ウェーバーはかなり意識していたようです。父親が義理の甥であるモーツアルト2世にすべく、少年カルルに英才教育を施したからです。

本田聖嗣プロフィール
私立麻布中学・高校卒業後、東京藝術大学器楽科ピアノ専攻を卒業。在学中にパリ国立高等音楽院ピアノ科に合格、ピアノ科・室内楽科の両方でフプルミエ・プリを受賞して卒業し、フランス高等音楽家資格を取得。仏・伊などの数々の国際ピアノコンクールにおいて幾多の賞を受賞し、フランス及び東京を中心にソロ・室内楽の両面で活動を開始する。オクタヴィアレコードより発売した2枚目のCDは「レコード芸術」誌にて準特選盤を獲得。演奏活動以外でも、ドラマ・映画などの音楽の作曲・演奏を担当したり、NHK-FM「リサイタル・ノヴァ」や、インターネットクラシックラジオ「OTTAVA」のプレゼンターを務めるほか、テレビにも多数出演している。日本演奏連盟会員。

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