「道州制」にはリアリティ感じられず
大都市制度については、同じ中公新書で、国がリソースを投入すべき大都市として大阪・名古屋・福岡・札幌をあげる「政令指定都市」(北村亘著 2013年7月)や都区制度を概説する「都知事」(佐々木信夫著 2011年1月)も見逃せない。ただし、大都市制度とセットで論じられる「道州制」については、「ミスター円」の榊原英資著「日本をもう一度やり直しませんか」(日経プレミアシリーズ 2011年4月)や憲法学者の小林節著「白熱講義!日本国憲法改正」(ベスト新書 2013年4月)がいうようにリアリティを感じられない。
英国地方自治制度(参照:内貴茂著「英国行政大改革と日本」(2009年 ぎょうせい))のように、全国一律でなく、道府県をとばす「国―市」の1層制の大都市制度も構想しうる。その有力候補は、北村氏がいう、大阪・名古屋・福岡・札幌となるのは間違いない。
経済官僚(課長級)AK