希望に満ちた春が終わり、いわゆる「5月病」で脱力している人も少なからずいるだろう。「会社に行きたくない」と思うような、だるさや落ち込み感は、ストレスの解消や十分な睡眠で改善が期待されるという。
そこでクローズアップされているのが「オルニチン」。肝臓で重要な働きをすることで知られるアミノ酸の一種だが、ストレス軽減や睡眠改善に、良い影響を与えるという。
「肝臓とはまた別の作用」で「メカニズム研究途上」
オルニチンの情報発信や意見交換の場として設立された「オルニチン研究会」は2015年5月25日、オルニチンの「メンタルストレス軽減効果」について行った、同研究会の協賛企業でもある協和発酵バイオの西村明仁氏(学術研究企画室)のインタビューを公開した。
西村氏によると、オルニチンとメンタルの関係については「肝臓とはまた別の作用」で、「メカニズム研究途上」だが、久留米大学の津田彰教授による研究で「過剰なストレスをオルニチンが軽減してくれる」効果が検証されたという。
津田教授の実験では「TSST」と呼ばれるストレステストの後、ストレスを感じると分泌される唾液中のホルモン物質「コルチゾール」の量を調査した。結果として、オルニチンを摂取していたグループの方が、プラセボ(偽薬)を摂取したグループよりも分泌量をおさえられたという。
西村氏は、オルニチンがその場のストレスだけではなく、「ストレス状態からの回復を早めてくれる」可能性もあると指摘。睡眠についても改善できる可能性があるといい、オルニチンを「肉体的にも精神的にも、疲れを軽減してくれる可能性を持った素材」としている。