ゴールデンウィーク(GW)でドライブを楽しんだ人も多いだろう。車での行楽で頭を悩ますことがあるのが同乗者らの「クルマ酔い」。せっかくのお出かけなのに、酔ってしまった本人が最悪な休日を過ごすことになるばかりでなく、家族やグループの行動にも影響する。
環境に優しい次世代モデルの自動車に詳しいモータージャーナリストの五味康隆さんによると、クルマ酔いにはメカニズムがあり「酔いにくい隠れ名車」があるという。
「重量バランス」がカギを握る
乗り物酔いのメカニズムは、三半規管などの医学的要素と、物理的・心理的な要素の2つにわけられる。自動車の場合、人が不快に感じやすい「揺れ」「音」「におい」によって酔いやすくなるため、酔わないクルマ選びには「安定」や「静かさ」が重要だ。
自動車に乗っていて、もっとも酔いやすい要素と言えるのが「前後の揺れ」だ。ほとんどの市販車は、車体前方にエンジンがある。それだけで前方は重くなりやすいが、ブレーキをかけた時に「減速G」という力がかかって、車体が前につんのめるような姿勢になると、さらに揺れが大きくなるという。
五味さんは、揺れにくいクルマを選ぶ基準として、「重量バランス」を挙げる。多くの市販車は前方にエンジンがあるが、プラグイン・ハイブリッド(PHV)や水素自動車などの「次世代エコカー」は、エンジンが前にあっても、後部に重いバッテリーがあるため、低重心でほどよいバランスが保てるという。
それを踏まえて、五味さんがおススメする「酔いにくい隠れ名車」は、トヨタの「プリウスPHV」や、スバル(富士重工業)の「レガシィB4」、日産自動車の「スカイライン」などだ。五味さんは、
「昔のクルマも魅力的ですが、より良いクルマを提供できるように、安全性や安定性は昔と比べて確実に良くなっています。そういった意味でも次世代自動車は燃料だけでなく、文字通り、『次世代』のクルマです」
とし、次世代エコカーには燃料効率以外の魅力もあると話している。