米国で「ヒロシマ」体験伝える女性が絵本出版 日英朗読CDを追加発売

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   戦後そして被爆70年の2015年。広島で被爆し、その後米国で核兵器廃絶などに取り組んでいる日本人女性が書いた「ヒロシマ」についての英語の絵本に注目が集まっている。オレゴン州メドフォード市に住む田村秀子さん(81)が書いた「When a Peace Tree Blooms(平和の木に花が咲く時)」。2年前に米国で出版されたものだが、このほど、日英の朗読CDや日本語の小冊子が追加された。

  • When a Peace Tree Blooms(平和の木に花が咲く時)
    When a Peace Tree Blooms(平和の木に花が咲く時)
  • When a Peace Tree Blooms(平和の木に花が咲く時)

ひろしま平和大使も務める田村秀子さん

   田村さんは当時の国民学校(小学校)6年だった11歳の時、学童疎開先から広島市内の実家に一時帰宅していた1945年8月6日に原爆に遭い母親を失った。その後、大学1年時に米国に留学。シカゴ大学で社会福祉専攻し修士号を取得して、同大病院でソーシャルワーカーとして勤務するかたわら、米国内外で「ヒロシマ」の語り部として被爆体験を話し「原爆を繰り返してはならない」と訴えてきた。

   ソーシャルワーカー引退後の2003年からオレゴン州在住。06年に地元の平和合唱団を率いて日本を訪れ各地で親善コンサートなどを行い、同年8月6日、友人の米国人音楽家が作詞・作曲した平和の歌を平和記念公園の原爆供養塔に捧げた。広島市は13年12月に、田村さんに同市特任大使(ひろしま平和大使)を委嘱している。

   「When a Peace Tree Blooms」は、戦争や原爆の体験から、その恐ろしさや家族と別れることの苦しさ、そして、希望を与えてくれる人とのつながりなどを、子どもに分かりやすいストーリーにまとめたもの。絵は画家で絵本作家の貴志真理さんが担当。田村さんは、子どもも大人も読めるよう、恐ろしくない、やさしい絵本にしたいと望んだが、原爆を表現する「やさしい絵」は難しかったという。

   田村さんは居住しているオレゴン州メドフォード市で07年に、市民に被爆体験や平和を学ぶ機会を提供し核兵器廃絶と相互理解の促進を目指す非営利団体「One Sunny Day Initiatives(ワン・サニー・ディ・イニシアティブズ)」を設立。講演活動、ワークショップ、教材制作などを行っている。「When a Peace Tree Blooms」のオリジナル書籍はAmazon.co.jpなどで購入できるが、朗読CDや日本語小冊子付きやCD単独は同団体のホームページで扱っている。

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