ファイザーは2015年5月から、歌手で俳優の加山雄三さん(78)を起用した「健康寿命を、のばそう。65歳からのおとなの予防接種」啓発キャンペーンを実施している。65歳以上の人に「健康寿命の延伸とおとなの予防接種」の重要性を広く知らせるためのキャンペーンだ。
世界でも有数の「超高齢社会」にある日本では、介護などを必要とせず、できるだけ健康に自立した生活を送れる「健康寿命」をのばすことが大きな課題になっている。その一端を担うのがワクチン接種。「乳幼児を感染症から守るもの」のイメージがあるが、65歳以上の成人にも、感染症予防として重要だという。
リスクの高い「肺炎球菌」
65歳以上が接種できるワクチンには、「インフルエンザワクチン」などに加え、「肺炎球菌ワクチン」が挙げられる。肺炎球菌は肺炎の主要原因で、健康であっても加齢による免疫力や嚥下(えんげ)機能の低下で、感染のリスクが高くなる。肺炎球菌ワクチンの接種は、シーズンに関係なく、どの季節でも可能だ。
肺炎球菌ワクチンには2種類あり、現在定期接種となっているワクチンのほかに、肺炎球菌結合型ワクチン「プレベナー13」がある。09年に乳幼児を対象として欧州で承認され、日本では7価肺炎球菌結合型ワクチン「プレベナー」とあわせ、発売から5年間で500万人以上の子どもたちに接種された。14年6月からは65歳以上の成人でも任意接種できるようになった。
キャンペーンでは、加山さんを起用した啓発ポスターや、啓発用リーフレットを全国の医療機関に設置。新聞や雑誌での広告展開に加え、ウェブサイト「おとなの肺炎球菌感染症.jp」での情報提供も行う。サイトでは高齢者のワクチン接種に関する情報掲載のほか、本人や家族が肺炎球菌ワクチンの接種を検討するための「成人用肺炎球菌ワクチンチェックシート」のダウンロードもできる。