おカネをつぎ込んでも
フランスの経済学者、トマ・ピケティ氏の世界的ベストセラー『21世紀の資本』は貧富の格差を分析したものだが、『美貌格差:生まれつき不平等の経済学』(著・ダニエル・S. ハマーメッシュ、訳・望月衛、1944円、東洋経済新報社)は、美形とそうでない人でどんな格差が生じるのか、労働経済学の権威が20年にわたって研究した成果だ。
美形かブサイクか、どちらに生まれるかは親の責任だ。自分で選ぶことはできないのに、会社の業績、選挙の結果、融資の条件、寄付金集めにも影響し、生涯で2700万円の差になるという結果だ。少しでも美人になりたいと、鼻やまぶたの整形、化粧品、服装、ヘアスタイルなどおカネをつぎ込んでも効果は期待できない。誠に不平等な話だ。
美形だったら人生はバラ色になるのか。ブサイクには何ができるのか。最終章に「ブサイクの行く末」について書いてある。