東レ(東京都中央区)は、航空機用タイヤコード(タイヤの形状を保持するための補強材)などに使用される超高強力ナイロン糸を使用した鞄地用テキスタイル「鎧布(がいふ)」を2015年5月に発売する。
近年、パソコンやタブレット機器など重量のある荷物を運ぶ機会が増え、鞄市場では破れにくい耐久性のある素材が求められている。また、商品の差別化にあたりメイド・イン・ジャパンの高機能、高品位な素材への関心が高まりつつあるという。
鎧布は世界最高水準の超高強力ナイロン糸を使用したテキスタイル。日本の高い技術を用い、国内で原料の重合から製織工程まですべてを行っている。
ナイロン糸は高粘度ポリマーを使用することで、通常のものより高い強度を実現した。また、繊維の延伸工程を繰り返し行うことで、分子配列を整えて分子同士の結びつきを強め、原糸の強度をさらに高めた(多段延伸プロセス)。
高い強度と良質な外観が認められ、国内鞄メーカーの吉田(東京都千代田区)が展開するPORTER(ポーター)ブランドの15年秋冬モデル(ビジネスバッグ)への採用が決定している。
今後は、強度が必要な衣料や資材などへの展開を計画しているという。