4年がかりの大修理を終えた「鳥獣戯画」が東京でも公開される。2015年4月28日から上野公園の東京国立博物館で始まる特別展「鳥獣戯画─京都 高山寺の至宝─」。昨秋、京都で修理後初めて公開され注目を集めたが、今回は国宝の甲・乙・丙・丁4巻とともに、この4巻から分かれ、国内外に所蔵される断簡5幅も集結。現存する全ての鳥獣戯画を見ることができる貴重な機会だ。
国内外所蔵の断簡5幅も集結 全て見られる貴重な機会
京都・高山寺に伝わる鳥獣戯画は、日本の漫画のルーツとも言われ、サルやウサギ、カエルなど多数の動物が、人間のようなしぐさで登場する全4巻の絵巻だ。義務教育の教科書にも掲載され、子供から大人まで多くの日本人に親しまれてきた。
しかし、描かれてから約800年の歳月が流れ、貴重な国宝なのに、しわや汚れ、退色、虫食いなどの傷みも目立っていた。そこで2013年まで4年がかりで大がかりな修理。くすんでいた部分が見違えるように鮮明になり、描かれた当時の、動物たちの生き生きした姿を久しぶりに間近で味わうことができる状態となった。
修理作業の過程ではいくつかの新発見もあり、それらの成果も合わせて紹介される。また高山寺に伝わる数多くの国宝、重文類も同時に公開される。
「鳥獣戯画」は前期=4月28日(火)~5月17日(日)、後期=5月19日(火)~6月7日(日)で展示替えがある。