海外への発信
著者は、戦勝国アングロ・サクソン史観が支配している現在の世界の近代史史観に一石を投じることを願っていたという。果たして2007年、ジャパンエコー社から"From Uraga to San Francisco A Century of Japanese Diplomacy 1853-1952"として本書の英訳版が発刊されている。
海外で活躍する方々でも、日本近現代史の史実検証を積み重ね、かつそれを英語で的確に説明できる方ばかりとは限らない。70年談話を巡る日本の歴史認識について、外国人と英語で論戦をしたい方には恰好の素材であろう。
その意味で本書とその英訳版は、著者が平成の日本にもたらした、文字通り貴重な「遺産」というべきと思う。
酔漢(経済官庁・Ⅰ種)