東京都大田区から米国ボストンに住む友人に手紙を送ったら、「日本のオタクから手紙が来たぞ!!」と騒がれたそうだ。それほど「オタク(Otaku)」は世界言語になったのか。
世界各地から日本にやって来るオタクたちの部屋探しをサポートするサイトを見つけた。今春オープンしたての外国人向け物件紹介サイト「R-ESTATE TOKYO」である。手掛けるのは、都内を中心にリノベーション(改良)物件やデザイナーズ物件を独自の視点で紹介するR-STORE(アールストア)だ。
世界のオタクたちに、いったいどんな部屋を紹介するの? この記事を書いている4月中旬に掲載されていたのは、広さ40平方メートルのワンルーム。東日本橋駅(都営地下鉄浅草線)徒歩2分のデザイナーズマンションの一室だ。大きな窓に白い壁、シンプルでモダンな内装のどこがオタク向けなのか? ポイントは、秋葉原まで1.5キロ、オタクの聖地に近いということらしい。賃料は、月額13万4000円に管理費が8000円。リッチなシングルオタク向け物件だ。
ほかにも、秋葉原へは3.5キロと少し離れるが、ファミリーオタク向けの純和風3LDKもあった。6階建てビルのペントハウスということで、家賃は26万円で管理費が2万円と、こちらもお高い。
Live in Tokyo! 需要は高まるばかり
ところで、「R-ESTATE TOKYO」は、リッチなオタクだけをターゲットにしているわけではない。「Kawaii」や「Japanese Style」など、あらかじめ用意されているキーワードを選べば、それぞれの条件に合った物件がヒットするしくみだ。月6万円台で住める物件も紹介している。
英語で物件を紹介、ただそれだけではない工夫も施されている。土地勘のない外国人のために、トップ画面には地図が大きく配置され、知っている地名やランドマークを入力すると、周辺の物件が地図上に現れる。銭湯やたい焼き屋、神社など小さなスポットを取り上げるコラムは、実際に住んだ場合のイメージが膨らむ。
外国人専門の不動産屋に駆け込むか、地元の不動産屋を介して家主とカタコトで交渉するか......。異国での物件探しは、想像するだけでたいへんそうだ。「R-ESTATE TOKYO」は、おしゃれだったりユニークだったり、良くも悪くも独自のフィルターがかかっている。だが、外国人OKの物件を一覧・比較でき、頻繁に情報が更新されるサイトは貴重だ。東京オリンピック開催による観光客増加や外国人労働者の増加を考えると、こうしたサービスの出現は必然といえるだろう。