新年度をむかえ、新入社員歓迎会など、飲酒の機会も増えてきた。そこで気になるのは「ビール腹」など身体への影響だ。ここ数年は、健康効果をうたった特定保健用食品(トクホ)や栄養機能食品など「機能系ビール類」の市場が拡大。2015年4月からは、製品や成分の働きを示すことができる「機能性表示食品制度」がスタート。届出だけで表示が可能なだけに、その市場にも影響がありそうだ。
カロリーオフも実現「のどごし オールライト」
ビール各社が、いわゆる新ジャンル製品をめぐり「糖質」と「プリン体」の減量にしのぎを削るなか、14年になって、両方をおさえた「ゼロ・ゼロ」商品が続々登場。発泡酒や「第3のビール」などの市場競争が激化している。
14年9月~15年2月の、こうした「機能系ビール類」に関する売上データ(KSP-POSデータ調べ)によると、市場シェア1位は「淡麗グリーンラベル」などを販売するキリンで、アサヒビールがこれを追う。
ではキリンは、どのように市場を制したのか。14年9月発売の「淡麗プラチナダブル」が"強力"だったことが主因だ。同製品は「機能系ビール類」の商品として後発だったが、吸着剤でプリン体を除去する製法と、原料へのこだわりで、同年の当初計画の2倍(260万ケース)を出荷した。続く「のどごし オールライト」(15年1月発売)はゼロ・ゼロに加えて、カロリーオフも実現し、大ヒット中だ。
これからノドが渇くシーズン。体を気づかった食事のおともとして食卓に並べるのは、最新の技術で生まれた「機能系ビール類」がふさわしいようだ。