スティーブ・ジョブズも下積みだった
日本のサラリーマンは学校を卒業して就職すると、定年まで同じ会社で働いた。ヒラから係長、課長、部長と昇進し、それに従って給料も上がり、退職金が最後のご褒美だった。「サラリーマンは気楽な稼業ときたもんだ」なんていう歌が流行っていたころだ。だが、バブル崩壊とともに様子が変わった。能力主義や成果主義が出てきて、非正規社員が増え、格差も広がった。いまのサラリーマン、どう生きていけばいいのか。
『サラリーマンの新しい掟 下積みは、あなたを裏切らない!』(マガジンハウス、1296円)は、ネットのオピニオンリーダーとして知られる働き方評論家、常見陽平さんの最新作だ。
「下積み」とは古風な言葉だが、古今東西「学問に王道なし」というように、仕事にも王道はない。スティーブ・ジョブズも「下積み人」だった。常見さん自身も就職氷河期をくぐり、残業、休日出勤、転勤、出向、転職と様々な経験をした。それらをもとにした若手ビジネスマン向けの新しい仕事論である。新日本プロレス・棚橋弘至選手との対談もある。