価格上昇を抑える工夫とは?
製造方法などにより異なるが、牛乳は賞味・消費期限が他の食品に比べて短いなど、鮮度が重視され、ほぼ国産100%。ネオマーケティングの調査によると、全国の女性(20~69歳)500人のうち、牛乳が国産であることに「意義がある」と答えたのは93.4%にのぼる。そのうち、意義の理由を「安心だから」と答えたのは87.2%、「安全だから」と答えたのは75.4%。日頃から口にする食品だけに関心は高い。
内橋事務局長は、そうしたことを背景に、牛乳の価格についてこう強調した。
「牛乳は特殊な嗜好品でなく、誰もが食生活に取り入れている基礎的なものです。価格の大幅な上昇により、『一部の人だけしか入手できない』物にしてはいけないと思っています」
消費者のニーズにこたえようと、酪農家は様々な取り組みをしている。たとえば、飼料変更によるコストダウン。余剰の国産米で飼料を作ったり、食品残さの活用などをしたりすれば、海外事情の影響を緩和できる。また後継者不足においても、新たに酪農を始めたい人をサポートする仕組みもあるという。
「経営環境が厳しいなか、酪農家は前向きに工夫や努力をしています。これまで消費者と培った『国産』の信頼を損なわないように、しっかりとした供給にむけて頑張っているので、その背景をわかっていただいて、これからも牛乳を飲み続けてほしいですね」