列島各地で「春」が本格化するのに合わせて、2015年3月27日、今季のプロ野球が開幕した。広島・黒田、ソフトバンク・松坂の両投手、オリックス・中島選手ら、大リーグからの復帰組はどんな活躍をするのか。巨人はかつての「V9」以来のリーグ4連覇を果たせるのか。ソフトバンク・工藤、西武・田辺、楽天・大久保、広島・緒方、ヤクルト・真中と5人誕生した新監督の手腕は――などなど、注目材料は数々ある。プロ野球に興味がある人はもちろん、ない人もきっと、面白い"参考書"があれば、楽しみが何倍にもなるに違いない。 J-CASTニュースの書籍サイト「BOOKウォッチ」https://books.j-cast.com/でも特集記事を公開中。
メガネの捕手にはすべてが見える
ひいきのチームの開幕シリーズ3連戦を、球場で、あるいはテレビで、多くのファンが見守っただろう。応援するチームの絶好の得点機、相手投手が投げた球はベースの上を通る緩い変化球...。よしっ! と思った瞬間、打者は見送り、ストライク。ええっ、なんで? そうした疑問に答えてくれるのが『古田式・ワンランク上のプロ野球観戦術』(著・古田敦也、778円、朝日新聞出版)。紹介するまでもないが、著者は東京ヤクルトスワローズで捕手としてチーム牽引、監督として采配を振るった。古田さんの解説によれば、容易に打てそうに見えるピッチングながら結果は凡打という理由の一つは「タイミング」。「腕の振り」「球の出処」など、試合中継で解説者がよく口にする言葉も使って、文字通りワンランク上の観戦術を教えてくれる。