「オモシロ間取り」驚き170物件
吉田兼好の徒然草に「家の作りやうは、夏をむねとすべし」という一節がある。日本の家屋は冬より夏の暑さ対策が大事だと説いているが、要するに、家作りの根本は実用第一ということなのだろう。『おかしな間取り図鑑』(著・おかしな間取り研究班、779円、宝島社)には、それとは対極の間取りが次々に出てくる。遊び心というか、トンデモ間取りというか、「どうやってここに住むのか」「どんな経緯でつくったのか」と言いたくなるような170物件の写真や図の一覧である。
不動産仲介業者の協力を得て、実在する「おかしな間取り図」を収集したと前書きにあり、目次を見ると「楳図かずおのアートルーム」「借金取りから身を守る部屋!?」「あえて玄関を省いた一軒家」「用足しはバルコニーで」「キャッチボールもできます」といったタイトルが並び、それぞれ間取りの意図や理由についての解説が付く。「家づくりの際の参考になるかどうかはさておき、インパクトのある部屋とおかしな間取り図を堪能してもらいたい」といっている。