子どもたちの学習意欲の低さが問題になっている。リクルートマーケティングパートナーズの調査によると、子どもが勉強をやる気がなく、悩んだ経験がある母親は86%にのぼる。
そうしたなか、子どもを惹きつけることに注力したデジタル教材が民間企業から登場し始めた。21世紀を生きる子どもの将来を考えたとき、ICT(情報通信技術)による学習はどのようなメリットがあるのか。
パソコンやタブレットで勉強を楽しく
「紙では表現の難しい天体や図形の問題などが、デジタルだと伝えやすくなります。歴史などストーリーのあるものを動画でドラマチックに伝えることもできます。また、ゲーミフィケ―ションの要素を入れるなど、子供たちが楽しく学習できるように各社が工夫をしています」
NPO法人CANVASの理事長で、慶應義塾大学准教授の石戸奈々子さんはこう説明する。民間企業によるICT教育サービスが次々に登場し、パソコンやスマートフォン、タブレットを使って、問題を解いたり動画の授業を受けたりすることが可能になった。
本来は一体だった「学び」と「遊び」がいつの間にか分離し、勉強が苦しいものになっていたが、「楽しさ」を取り戻せるという。また、学習における保護者の関わり方も変化すると石戸さんは指摘する。
「子どものつまずいている箇所が情報として保護者に届くようになりました。今まで保護者には見えなかった部分がわかるようになり、その子の状況に適したきめ細やかなアドバイスができるので、より学びたいという気持ちを起こせるのではないでしょうか」