オレンジ色のボールを支点に、滑らかに首を振っている――。何かと思えばシェーバーのCMだった。興味をそそる不思議なボールは「フレックスボール」というらしい。いつの間にシェーバー業界にこんな技術革新が起こっていたのだろう。
ネットで「ジレット プログライド フレックスボール」を購入してみた。
3次元のシェービングが可能に
数日して商品が届いたので開封すると、確かにハンドル部分にボールが埋め込まれていた。フレックスボールの力によって、剃り味が今までと変わるそうだ。せっかくなのでヒゲを2か月以上伸ばしっぱなしの編集部員(20代男)に試してもらった。
シェービングクリームを肌に馴染ませてひと剃り。「ひっかかる感じが全然しない」と驚いた様子。数センチになったヒゲを剃るときはいつも、刃がひっかかり痛い思いをしてきたという。鼻の下からあご、もみあげまでビッシリと生えていたヒゲが、みるみる剃り落とされていった。
気になるフレックスボールの実力はどうなのか。「耳からあごにかけての顔の輪郭に、刃が密着するのがスゴイ。今までのカミソリだと、このあたりが剃れなかった。スムーズに動くし、少ないストローク回数で済んだ」と興奮気味に話した。剃り残しなくきれいに仕上がり、ヒゲが無くなったせいで若返って見えた。また、少ないストロークなので、肌にも優しい。
調べると、フレックスボール テクノロジーはジレットが約5年もの歳月をかけ開発した新技術だという。従来のシェーバーの2次元的な首振りの動きでは、顔の凹凸部分で肌と接触せず、剃り残しの原因になっていた。フレックスボールによって、刃が前後左右に動くようになり、顔の輪郭への接触面を最大化。剃り残しのない3次元のシェービングが可能になった。
米国での研究開発は、あらゆる人種を対象に行う徹底ぶりだ。剃り方や剃り残し具合を入念に調べ、シェーバーの形状をデザイン。3Dスキャンによる男性の骨格の調査などを経て、刃の動く角度を最大24度になるように設計している。ジレットの精密なエンジニアリングと人間工学に基づいた構造だ。
また、刃先は抵抗を抑えるコーティングがほどこされた極薄5枚刃を採用。5枚刃の裏側にある「+1 ピンポイントトリマー」も剃りにくい部分の仕上げに適したデザインで、目詰まり防止スロットを搭載。こうした技術により、今までにない剃り味を感じられたようだ。マニュアルホルダー 替刃2個付きで、価格は税込1382円(編集部調べ)。2015年2月下旬から全国で販売されている。