川や海や池...果ては洪水まで好んで題材に
「水の反映」をドビュッシーが書いたのは、1906年。絵画では、もう後期印象派も終わろうかという時代ですが、ドビュッシーにおいては、「円熟期」でした。オーケストラの大規模な作品として、彼の代表作となる交響詩「海」を1905年に発表し、さらに評価を上げ、誰も彼の実力を疑わなくなりました。そして、満を持して、ピアノと管弦楽のための曲集「映像」を企画するのです。当初の企画からはいろいろと紆余曲折があり、まず最初に「映像 第1集」として、ピアノ曲3曲が発表されました。その1曲目が、これも水にこだわった曲であるというのは、彼自身はそう呼ばれるのは好まなかったそうですが、川や海や池や、果ては洪水まで好んで題材にした「印象派」絵画との共通性を強く感じさせます。